診断のポイント
【1】感染症状に脳局所症状を伴う。
【2】大半の患者で頭痛を訴える。
【3】中耳炎などの好発年齢に一致し,30歳台以前の若年者,男性に多い。
【4】発生原因の半数は中耳炎,副鼻腔炎などの耳鼻咽喉感染,小児では先天性心疾患が最も多い。
【5】診断には頭部MRI(単純と造影)または頭部CTが必須である。
症候の診かた
【1】頭痛,発熱などに片麻痺などの脳局所症状,髄膜刺激症候を認めたら本疾患を疑う。
【2】病期は脳炎初期,脳炎晩期,被膜形成期,被膜形成晩期に分けられ,後述の画像所見で差異がみられる([検査所見とその読みかた]【4】参照)。
【3】意識障害,てんかん(急性症候性発作)を伴うこともある。
【4】半数で何らかの感染徴候をみる。
検査所見とその読みかた
【1】炎症所見:好中球増多,CRPの上昇,血沈の亢進などをみる。
【2】頭部単純X線写真や頭部CT:中耳や副鼻腔に感染症の存在を示すことが多い。