長期透析の合併症で最も重要な疾患は,透析アミロイドーシスと慢性腎臓病に伴う骨ミネラル代謝異常(CKD-MBD)である。本項では,この2つの疾患の診断について概説する。
診断のポイント
【1】透析アミロイドーシス:透析アミロイドーシスの臨床的診断は,表1図に示す主要症状のうち2項目以上が認められる場合である。主要症状1項目と副症状1項目以上が認められる場合,臨床的疑い例と定義される。
【2】CKD-MBD:診断基準はないが,血清リン(P)値3.5~6.0mg/dL,血清カルシウム(Ca)値8.4~10.0mg/dL,インタクト副甲状腺ホルモン(intact PTH)値60~240pg/mLが管理目標値として推奨されている。
症候の診かた
【1】透析アミロイド―シス:手根管症候群については,ベッドサイドでの診察(正中神経圧迫テスト,Phalenテスト)で評価する。また,骨囊胞や破壊性脊椎関節症について