診断のポイント
【1】摂食または摂食に関連した行動の持続的な障害が存在する。
【2】やせ願望や自分の体型認知の障害が存在することは必須でない。
【3】身体疾患による食事摂取の障害との鑑別が重要だが,身体疾患に併存する場合もある。
【4】神経性やせ症や神経性過食症といった,医療職にとってなじみ深いもの以外にも,いくつかの疾患概念が存在する(表1図)。
緊急対応の判断基準
【1】以下の❶~❸に該当する場合などは,総合病院での入院治療が原則として必要である。❹では入院治療の可能性を含めて,精神科医が対応を判断する必要がある。
❶標準体重比55%未満の低体重。
❷急激な(例:週に2kg以上)体重減少。
❸極端な電解質異常・心電図異常・意識障害・急性腹症その他,身体医学的緊急事態。
❹重篤な希死念慮・自殺企図など精神症状の増悪。
症候の診かた
【1】低体重の有無
❶BMI 18.5未満ならば,病的低体重と考える。
❷わが国のガ