診療支援
治療

クロイツフェルト-ヤコブ病
Creutzfeldt-Jakob disease (CJD)
山田正仁
(金沢大学大学院教授・脳老化・神経病態学(神経内科学))

◆疾患概念

A.プリオン病の概念

 プリオン病は感染因子プリオンによる致死的な人獣共通感染症であり,ヒトではクロイツフェルト-ヤコブ病(CJD),動物ではウシ海綿状脳症bovine spongiform encephalopathy(BSE)などがある.プリオンの主成分は宿主の細胞蛋白のプリオン蛋白prion protein(PrP)である.正常型のPrPはプロテアーゼ感受性で感染性のない蛋白であるが,プリオン病では正常型PrPがプロテアーゼ抵抗性の感染型PrPに構造変化して脳内に蓄積し発症する.PrP遺伝子の多型はプリオン病の疾患感受性や病像に関連し,変異は遺伝性プリオン病を起こす.

B.ヒトのプリオン病

 ①孤発性CJD(特発性),②遺伝性,③獲得性に大別される.

 孤発性CJDの典型例は,認知症,運動失調,視覚異常などで発症,さらに錐体路・錐体外路症候,ミオクローヌスなどの神経精神症候が急速に

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