診療支援
治療

Prader-Willi症候群
Prader-Willi syndrome
大戸佑二
(獨協医科大学埼玉医療センター小児科)

●病態

・Prader-Willi(プラダー・ウィリー)症候群(PWS)は,染色体15q11-13領域の遺伝子異常に起因し,父由来の欠失が70%,母性片親性ダイソミーが25~30%,刷り込み変異が1~3%である.母体の高齢化に伴い,母性片親性ダイソミーが増加している.

・種々の奇形徴候(小さな手足,アーモンド様の眼,躯幹部中心の肥満など),内分泌学的異常(低身長,肥満,糖尿病,性腺機能低下症など),精神・神経学的異常(筋緊張低下,知的障害,不適応行動など)を示す.

・臨床的特徴は,年齢ごとにその臨床像が異なることである.新生児期には著明な筋緊張低下がみられ,これによる哺乳障害や体重増加不良がみられる.また陰嚢低形成,停留精巣を認める.乳児期には筋緊張は改善するが,精神運動発達遅滞を呈する.幼児期から過食傾向が出現し,肥満傾向が顕著となる.

・年齢に伴って高度肥満,糖尿病を呈する.思春期には二次性徴

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