呼吸器感染症─喀痰
図1 Streptococcus pneumoniae図
グラム陽性の卵形やランセット形と表現される縦長の楕円形が2つ連なる双球菌であり,菌体周囲には莢膜が存在し,染色液で染まらない透明体として観察される.検体中には口腔内常在菌や上皮細胞はほとんど観察されない.
図2 Haemophilus influenzae図
グラム陰性短桿菌であり多形性を示すこともある.Bordetella pertussis(百日咳菌)やPasteurella spp.との鏡検上での鑑別は難しい.分離培養での培地発育性(ヒツジ血液寒天培地上で発育なし,チョコレート寒天培地上で発育あり)が鑑別の一助となる.
図3 Moraxella catarrhalis図
そら豆または腎臓形にたとえられるグラム陰性球菌が長辺を接して連なっている.Neisseria gonorrhoeae(淋菌)や,N. meningit