診療支援
検査

基本検査テクニック グラム染色
三澤 慶樹
(東京大学医学部附属病院・感染制御部)

 グラム染色(Gram stain)にはHucker変法,Kopeloff法,Bartholomew & Mittwer変法など,さまざまな染色法が存在する(表57).Hucker変法やBartholomew & Mittwer変法は脱色操作の時間が数秒違うと染色結果に大きく影響するため,経験が必要である.ここで紹介する西岡法(フェイバーGセット:日水製薬,グラムカラー:武藤化学)はステップが3段階と最も少なく,染色性に個人差がでにくい染色法である.グラム染色は施設により使用している染色液が異なるため,必ず添付されている説明書を一読していただきたい.

①塗抹(図39):塗抹標本はできる限り薄く,均一になるように作製する(乾燥したときに,下に置いた文字が読めるくらい).

②乾燥:自然乾燥させる.

③固定(図40):メタノール固定または火炎固定する.メタノール固定のほうが剝がれにくく,白血球な

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