基準値 6.5~8.0g/dL
共用基準範囲 6.6~8.1g/dL
測定法 ビュレット法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 栄養状態,肝・腎障害などの評価
Decision Level
●5g/dL以下(高度減少)
[高頻度]ネフローゼ症候群,重症肝障害,悪液質 [可能性]蛋白漏出性胃腸症,無γ-グロブリン血症,先天性無アルブミン血症 [対策]原疾患の診断と治療.疾患によってはアルブミン製剤点滴静注(ネフローゼ症候群には通常行わない),栄養補給
●5~6g/dL(中等度減少)
[高頻度・可能性]前項「高度減少」の疾患に加え,栄養障害,吸収不全症候群,低γ-グロブリン血症 [対策]原疾患の診断と治療.栄養補給
●6~6.5g/dL(軽度減少)
[高頻度・可能性]前項「中等度減少」の疾患に加え,炎症性疾患,血液希釈 [対策]原疾患の診断と治療.適宜栄養補給
●8~9g/dL(軽度増加)
[高頻度・可能性]次の「中等度~高度増加」の疾患に加え,慢性肝炎,肝硬変の初期,慢性炎症性疾患,悪性腫瘍,脱水症 [対策]原疾患の診断と治療
●9g/dL以上(中等度~高度増加)
[高頻度・可能性]多発性骨髄腫,原発性マクログロブリン血症,自己免疫性肝炎 [対策]原疾患の診断と治療.必要に応じプラズマフェレーシス
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血清中にはさまざまな蛋白成分が存在するが,セルロースアセテート膜電気泳動によりアルブミン,α1-グロブリン,α2-グロブリン,β-グロブリン,γ-グロブリンの5分画に分けることができる.通常,総蛋白の増減は,血清蛋白の大部分を占めるアルブミンとγ-グロブリンの変化を反映している.
総蛋白の増加はγ-グロブリンの増加を反映しており,アルブミンが増加することは脱水症以外にはない.γ-グロブリン分画には免疫グロブリンのIgG,IgA,IgM,IgD,IgEが含まれる.
総蛋白
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/プレアルブミン〔PA〕《トランスサイレチン〔TTR〕》 [保] 104点
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