基準値 3.8~5.2g/dL
共用基準範囲 4.1~5.1g/dL(グロブリン:2.2~3.4g/dL)
測定法 BCP改良法
検体量 血清0.5mL
日数 2~4日
目的 栄養状態,肝・腎障害などの評価
Decision Level
●2.5g/dL以下(高度減少)
[高頻度]ネフローゼ症候群,重症肝障害,悪液質 [可能性]蛋白漏出性胃腸症,吸収不全症候群,栄養障害,熱傷,先天性無アルブミン血症 [対策]原疾患の診断と治療,疾患によってはアルブミン製剤点滴静注(ネフローゼ症候群には通常行わない),栄養補給
●2.5~3.2g/dL(中等度減少)
[高頻度・可能性]前項「高度減少」の疾患(先天性無アルブミン血症を除く)の他に,炎症性疾患 [対策]原疾患の診断と治療
●3.2~3.8g/dL(軽度減少)
[高頻度・可能性]前項「中等度減少」の疾患の他に,甲状腺機能亢進症,血液希釈 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血清アルブミンは肝臓で合成される分子量66,000の蛋白質で,血中での半減期は約15日である.アルブミンの減少は,①産生の低下(肝障害,炎症性疾患),②体外(尿,消化管,皮膚)への漏出,③代謝亢進(甲状腺機能亢進症,炎症性疾患),④栄養不良(低栄養,消化吸収障害)で起こる.また血液希釈でもアルブミン濃度は軽度低下する.アルブミン濃度の上昇は脱水症以外では認められない.
[関連する検査]
血清アルブミンは血清総蛋白分画の最も主要な分画である.
判読
臥位よりも立位で高値であり,また運動で高くなるので,早朝よりも夕方に高値となる.
採取保存
血清分離後,冷蔵保存で1週間,凍結保存で長期間安定.
測定前後の患者指導
経過を追って厳密な値の変化を知りたい場合は,早朝空腹時に採血する.
保険注意
本検査および血清総蛋白,蛋白分画を併せて測定した場合は,主たるもの2つの所定点数を算
関連リンク
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