診療支援
検査

3-メチルヒスチジン〔3-MeHis〕   279点
3-methylhistidine
橋本 佳明
(入間ハート病院内科)

基準値

●μmol/日(通常食での値)

・男性:150~500

・女性:100~300

●μmol/gCr(通常食での値)

・男性:150~300

・女性:150~330


測定法 HPLC法


検体量 尿2mL


日数 5~7日


目的 筋肉の異化の指標


Decision Level

●150μmol/gCr以下(低値)

[高頻度・可能性]低栄養,甲状腺機能低下症 [対策]原疾患の診断と治療,栄養状態の評価

●男性300(女性330)μmol/gCr以上(高値)

[高頻度・可能性]コントロール不良の糖尿病,甲状腺機能亢進症,進行性筋ジストロフィー,肝硬変,悪性腫瘍,重症感染症,外科手術後,薬剤(副腎皮質ホルモン剤) [対策]原疾患の診断と治療,栄養状態の評価


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 3-MeHisは収縮蛋白であるアクチンとミオシンの構成アミノ酸で,ペプチド鎖に組み込まれたヒスチジンにメチル基が結合して形成される.筋肉の異化により遊離した3-MeHisは再利用されることなく尿中に排泄される.したがって,尿中3-MeHisは筋肉の異化の指標となるが,筋肉量と相関するので,異化の程度を比較するためにはクレアチニン補正したほうがよい.また尿中3-MeHisの一部は食事(肉類)に由来するので,原則として,最低3日間の肉食制限をした後24時間尿で測定する.


判読

①尿中排泄量は,筋肉量の違いにより,男性のほうが女性より多く,また加齢に伴い低下する.クレアチニン補正を行うと,性差や加齢の影響は認められない.②通常,運動の影響は受けない.③食事(肉食)の影響を受けるので,3日以上の食事制限を行って測定するか,食事の内容を考慮に入れて解釈をする.


採取保存

①24時間尿で測定する.②保存する場合は凍結する.


薬剤影響

‍ 上昇副腎皮質ホルモン剤.


測定前後の患者指導

 原則として,3日間の肉食制限をした後,採尿する.


保険注意

 保険収

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