基準値
・イヌリンクリアランス(Cin):90~130mL/分/1.73m2
・米国人健常男性72~176mL/分/1.73m2,健常女性81~137mL/分/1.73m2.日本人健常者の基準範囲は明らかでない.年齢により基準値は低下する.
測定法
・酵素法(ダイヤカラー®イヌリンキット)
・Cin={(Uin×V)/Pin}×(1.73/BSA)
Cin:イヌリンクリアランス(mL/分/1.73m2)
Uin:尿中イヌリン濃度(mg/dL)
V:単位時間当たり尿量(mL/分)
Pin:血清中イヌリン濃度(mg/dL)
BSA:体表面積,BSA=(体重kg)0.425×(身長cm)0.725×0.007184(Du Boisの式)
検体量 血清2mL,尿5mL
日数 2~4日
目的 正確な腎機能,糸球体濾過量(GFR)の評価
Decision Level
●Cinの低値
・正常または腎機能(GFR)軽度低下(G2) 60~89mL/分/1.73m2
・腎機能(GFR)軽度~中等度低下(G3a) 45~59mL/分/1.73m2
・腎機能(GFR)中等度~高度低下(G3b) 30~44mL/分/1.73m2
・腎機能(GFR)高度低下(G4) 15~29mL/分/1.73m2
・末期腎不全(G5) <15mL/分/1.73m2または透析
(CKDの重症度分類のGFR区分.CKD診療ガイド2012より)
[高頻度]腎硬化症,慢性糸球体腎炎,糖尿病性腎症(腎不全期) [可能性]ループス腎炎,血管炎,間質性腎炎,嚢胞腎,腎血管性高血圧,片腎,肝硬変,腎静脈血栓症 [対策]尿検査,腎超音波検査,腹部CT,腎動態シンチグラフィー(レノグラム),腎生検などにより原因を解明し,早期の治療によりCKDの進行を阻止する
●Cinの高値(おおむね130mL/分/1.73m2以上)
[高頻度]糖尿病性腎症(初期),妊娠中,
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