診療支援
検査

血漿レニン活性〔PRA〕《血漿レニン濃度〔PRC〕》  
plasma renin activity《plasma renin concentration》
片山 茂裕
(埼玉医科大学かわごえクリニック客員教授)
飯高 誠
(医療法人社団甲誠会飯髙医院理事長)

基準値

●PRA

・臥位 0.3~2.9ng/mL/時

・立位 0.3~5.4ng/mL/時

●PRC

・随時 3.2~36pg/mL

・臥位 2.5~21pg/mL

・立位 3.6~64pg/mL


測定法 RIA


検体量

・PRA:0.3mL

・PRC:0.5mL


日数

・PRA:3~5日

・PRC:2~5日


目的 レニン-アンジオテンシン系の機能の評価


NOTE‍ 保険点数:100点(PRA),105点(PRC)


Decision Level

■PRA

●基準値下限以下

[高頻度]低レニン性本態性高血圧症,原発性アルドステロン症(高度低下) [可能性]低レニン性低アルドステロン症(糖尿病腎症が多い),11-デオキシコルチコステロン(DOC)産生腫瘍,Liddle症候群,偽性アルドステロン症(グリチルリチンや甘草服用時) [対策]血漿アルドステロン濃度(PAC)を測定し,必要ならレニン刺激試験〔立位負荷,フロセミド(ラシックス®)負荷〕を行う

●基準値上限以上

[高頻度]高レニン性本態性高血圧症,腎疾患 [可能性]腎血管性高血圧症,悪性高血圧症,褐色細胞腫,Bartter症候群(高度増加),傍糸球体細胞腫〔レニン産生腫瘍(高度増加)〕,下剤や利尿薬の濫用時,妊娠時 [対策]腎機能の評価をし,PACやカテコールアミン濃度を測定する.レノグラムや腎動脈撮影,腹部超音波検査,CT,MRIなども必要


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 レニンは腎糸球体輸入細動脈壁にある傍糸球体細胞で産生される分子量37,000の蛋白分解酵素である.当初,分子量45,000のプレプロレニンが産生され,プロレニン(不活性型レニン)となり,さらにレニン(活性型レニン)になる.レニンはレニン基質(アンジオテンシノゲン)に働き,アンジオテンシンⅠを生じる(図53).さらに,アンジオテンシン変換酵素(ACE)の作用により,アンジオテンシンⅡが産生さ

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