基準値 100~550ng/mL
測定法 ELISA法,EIA法
検体量 血清0.5mL
日数 3~5日
目的 膵疾患急性期の診断
Decision Level
●高値(基準上限以上)
[高頻度]急性膵炎,慢性膵炎の急性増悪 [可能性]膵癌の早期(膵頭部癌のほうが体尾部癌より頻度が高い),Vater乳頭部癌,胆管癌,胆石・胆管結石,膵外傷,膵刺激〔ERCP,消化管ホルモン(セクレチン,ボンベシン,パンクレオザイミンなど)刺激〕,腎不全,アルコール依存症,肝硬変 [対策]腎不全を除外し,膵疾患の診断と治療.腹部所見と全身状態の把握.腹痛の有無,性状,持続の聴取.黄疸の有無.飲酒歴,薬物使用歴,胆石,糖尿病,脂質異常症の既往歴.血算,血液・尿生化学(他の膵酵素を含む),腹部超音波,腹部CT,腫瘍マーカー,ERCP,MRCP,超音波内視鏡(EUS),75g OGTT,HbA1c.治療は全身状態の安定化を第一に目指す
●低値(基準下限以下)
[高頻度]慢性膵炎の非代償期,進行した膵癌,膵切除後,1型糖尿病 [対策]保存的,補助療法
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
トリプシンは代表的な蛋白分解酵素で,膵特異性が高い.膵腺房細胞でトリプシノゲンとして合成され,十二指腸に分泌されて活性型のトリプシンになる.血中のトリプシンは膵からの逸脱酵素である.血中にはトリプシノゲンとして存在する他,活性化したトリプシンはα1-アンチトリプシン(α1-AT)またはα2-マクログロブリンに結合して存在する.
血中にはトリプシンの活性阻害物質などが共存するため,他の酵素の場合と異なり,血中酵素活性の測定は困難である.したがって,特異抗体を用いたRIA法またはEIA法による蛋白量の測定が行われる〔「AST」の項を参照→〕.現在の方法は膵トリプシンの2つの型のうち,カチオニックトリプシンを測定する.また,トリプシノゲンとα1
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/ビリルビン 直接ビリルビン [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/リン脂質 [保] 15点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/直接ビリルビン優位の増加,間接ビリルビン優位の増加
- 臨床検査データブック 2023-2024/BT-PABA試験《PFD試験,PABA排泄率,膵機能テスト》 [保] 100点
- 臨床検査データブック 2023-2024/グリコサミノグリカン《酸性ムコ多糖体〔AMPS〕》
- 臨床検査データブック 2023-2024/ロイシンリッチα2-グリコプロテイン〔LRG〕 [保] 276点
- 臨床検査データブック 2023-2024/17-ケトステロイド〔17-KS〕-7分画 [保] 213点(包)