基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法
検体量 尿1~2mL
日数 院内簡易測定キット:測定時間約10分
目的 急性膵炎の診断,急性膵炎でないことの確認
Decision Level
●陽性
[高頻度]急性腹症の症例で陽性の場合,高頻度で急性膵炎 [可能性]急性膵炎の原因として,アルコール性,高脂血症,特発性,自己免疫性の他,総胆管結石や腫瘍の可能性も検討する [対策]飲酒歴を含む病歴聴取.血清アミラーゼ,リパーゼ,トリプシン,アミラーゼアイソザイム,膵型アミラーゼ,尿中アミラーゼの測定,血清と尿中のクレアチンも測定してACCRの算出〔「尿アミラーゼ」の項参照→〕.腹部超音波,腹部造影CT,MRCP,超音波内視鏡(EUS),腹部単純X線.血糖,HbA1c,IgG,IgG4測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
急性膵炎では,膵腺房細胞からトリプシノーゲン1と2とが血中に逸脱する.これらは腎糸球体で濾過されるが,尿細管での再吸収が,トリプシノーゲン1では高く,トリプシノーゲン2では低い.このため,トリプシノーゲン2は急性膵炎の発症早期から高値となり,持続する.
[感度・特異度]
急性膵炎症例218例で,感度82.9%,特異度94.4%.
[関連する検査]
急性膵炎の診断の確認,炎症の程度の把握などは,血清アミラーゼ,リパーゼ,トリプシン,アミラーゼアイソザイム,膵型アミラーゼ,尿中アミラーゼの測定,血清と尿中のクレアチンも測定してACCRの算出〔「尿アミラーゼ」の項参照→〕が役立つ.膵炎の炎症の程度や膵周囲への影響については,腹部造影CTが有用.膵炎の原因としての結石や腫瘍の検索には,腹部超音波,腹部造影CT,MRCP,EUSなどが役立つ.急性膵炎における腹部単純X線像として,colon cut-off signが知られている.
採取保存
急性期の早期診断に用いられる検査であり,原則として,急性
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/尿アミラーゼ [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/アミラーゼ [パニ][小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵型〔P型〕アミラーゼ [保] 48点
- 臨床検査データブック 2023-2024/グアナーゼ〔GU〕 [保] 35点
- 臨床検査データブック 2023-2024/トリプシン《IRT》 [保] 189点
- 臨床検査データブック 2023-2024/グリココール酸 [保] 80点
- 臨床検査データブック 2023-2024/膵ホスホリパーゼA2〔膵PLA2〕 [保] 204点
- 臨床検査データブック 2023-2024/リパーゼ [保] 24点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビリルビン 間接ビリルビン [小]
- 臨床検査データブック 2023-2024/ビリルビン 直接ビリルビン [小][保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/直接ビリルビン優位の増加,間接ビリルビン優位の増加
- 臨床検査データブック 2023-2024/リン脂質 [保] 15点(包)