基準値 83~330μmol/日
測定法 HPLC法
検体量 尿2mL
日数 4~10日
目的 骨や皮膚のコラーゲン代謝速度の測定
Decision Level
●低下
[高頻度・可能性]低身長症,下垂体機能低下症,吸収障害,甲状腺機能低下症,発育不全
●増加
[高頻度・可能性]骨疾患(Paget病,くる病,骨髄性白血病,骨軟化症,多発性骨髄腫,転移性骨疾患),先天性結合織疾患(Marfan症候群,骨形成不全症),内分泌疾患(甲状腺機能亢進症,副甲状腺機能亢進症,先端巨大症),膠原病(強皮症),その他(熱傷,肝線維症,筋疾患,成長期,妊娠・分娩) [対策]内分泌検査,骨代謝マーカー測定,線維化マーカー測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
Hypは,アミノ酸の1つであるプロリンの水酸化物でコラーゲンに特異的に含まれる.体内コラーゲンの50%は骨,30%は皮膚に存在すると考えられることから,主に骨や皮膚のコラーゲン代謝に関連する疾患でその病態を表す指標と考えられる.
尿中Hypは骨疾患や内分泌疾患で高値を示す.骨疾患ではPaget病など各種疾患で高値を示すが,癌の骨転移でも高値となる.甲状腺機能亢進症,副甲状腺機能亢進症では分泌されるホルモンが骨代謝に影響を及ぼすことから尿中Hyp排泄が増加する.その他Marfan症候群などの結合織疾患で高値を示す.
[関連する検査]
オステオカルシンは骨代謝回転(特に骨形成)と密接な関係があり,血中濃度を測定することで,骨の代謝異常あるいは治療効果を知るのに有用である.
判読
①食事(ゼラチン含有食)の影響が考えられている.②成長期に高値をとる.
採取保存
①24時間尿を採取.②短期の冷蔵保存(4℃)にはトルエンまたはチモールを加える.③長期保存する場合は-20℃以下に保つ.
薬剤影響
低下副腎皮質ホルモン剤の投与により低値を示す.
保険注意
アミノ酸(1種類につき)と
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