基準値
・男性:154.9ng/mL以下
・女性:106.0ng/mL以下
測定法 CLIA法
検体量 血清0.3mL
日数 4~6日
目的 心筋梗塞の早期診断,重症度診断
Decision Level
●基準上限~1,000ng/mL(増加)
[高頻度]心筋梗塞,筋ジストロフィー,多発性筋炎,皮膚筋炎 [可能性]狭心症,甲状腺機能低下症,腎不全,運動後 [対策]CKアイソザイム,ミオシン軽鎖の判定,心電図,心エコー,心血管造影,筋生検,遺伝子解析
●1,000ng/mL以上(高度増加)
[高頻度・可能性]糖原病,悪性高熱,挫滅症候群,てんかん,薬剤性,低K血症 [対策]乳酸,ピルビン酸の測定,筋生検,腎機能検査,その他原疾患の検索
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ミオグロビンは骨格筋・心筋中に存在するヘム蛋白で分子量が17,200と小さいため,筋細胞の破壊により逸脱するが,細胞膜の通過性亢進によっても血中に流入する.
心筋梗塞では発症1~3時間で上昇し,最も早期に検出できる生化学的変化である.7~10時間で最高値に達し,2日で正常化する.心筋への特異性は高くないが骨格筋障害が否定できれば心筋梗塞の診断,重症度評価に役立つ.また再開通の診断にも有効である.
血中濃度が300~2,000ng/mLを超えるとミオグロビンが尿中に排出される.主に骨格筋障害およびこれに腎不全が加わったときにみられる.
[関連する検査]
①クレアチンキナーゼ(CK)アイソザイムは,健常者はCK-MMが大部分で,CK-MBは1~4%以下,CK-BBは1%以下である.②血清中CK-MBは心筋梗塞発作後4~8時間で増加し,24時間で最大となり,3日間上昇が認められることが多い.また,進行性筋ジストロフィー,皮膚筋炎,筋損傷に伴うミオグロビン尿症などでもCK-MB増加が認められることがある.③CK-BB増加はきわめてまれであるが,
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/アルドラーゼ〔ALD〕 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/クレアチンキナーゼ〔CK〕アイソザイム《クレアチンホスホキナーゼ〔CPK〕アイソザイム》 [保] 55点
- 臨床検査データブック 2023-2024/クレアチンキナーゼ-MB〔CK-MB〕《クレアチンホスホキナーゼ-MB〔CPK-MB〕》 [保] 90点
- 臨床検査データブック 2023-2024/ロイシンアミノペプチダーゼ〔LAP〕 [保] 11点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/心筋トロポニンI [保] 112点
- 臨床検査データブック 2023-2024/心筋ミオシン軽鎖 [保] 184点
- 臨床検査データブック 2023-2024/レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〔LCAT〕 [保] 70点
- 新臨床内科学 第10版/(1)ジルベール症候群,クリグラー-ナジャー症候群
- 新臨床内科学 第10版/(1)原発性高カイロミクロン血症
- 新臨床内科学 第10版/2 カルニチン回路異常症(全身性カルニチン欠乏症,CPT-1欠損症,CPT-2欠損症,CACT欠損症)