基準値 136~321ng/mL
測定法 EIA
検体量 血漿0.3mL
日数 3~7日
目的 トリグリセライドに富むリポ蛋白の異化活性の評価
Decision Level
●10ng/mL以下(高度減少)
[高頻度]LPL欠損症ホモ接合体 [対策]原疾患の治療(食事療法,薬物療法)
●10~136ng/mL(減少)
[可能性]LPL欠損症ヘテロ接合体,下垂体機能低下症,1型糖尿病,先端巨大症,ミオパチー [対策]原疾患の治療
●321ng/mL以上(増加)
[可能性]肥満症 [対策]原疾患の治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
LPLは毛細血管内皮細胞表面に存在する酵素で,中性脂肪に富むリポ蛋白(カイロミクロン,VLDL)を加水分解しレムナントに代謝している.したがって,LPLが欠損することでカイロミクロンの血中への停滞が起こり著明な高トリグリセライド血症(Ⅰ型もしくはⅤ型高脂血症)が出現することになる.LPLは空腹時には血中にほとんど認められず毛細血管内皮細胞表面にヘパリン結合しているため,測定するためにはヘパリンを注射して血中に遊離させることが必要である.
著明な高カイロミクロン血症を認め,LPL欠損症ホモ接合体が疑われるときは本酵素の測定が必須である.しかし本疾患の頻度は約100万人に1人でありまれな疾患である.
一方,LPL欠損症ヘテロ接合体の頻度は約500人に1人と考えられており,血中LPLも正常の約半分に低下していることが知られている.しかしLPL欠損症ヘテロ接合体では,正脂血症もしくは軽度~中等度の高トリグリセライド血症を示す例がほとんどであり,臨床像から本疾患を疑いLPL測定をする機会はそれほど多くない.
またアポ蛋白C-ⅡはLPLのコファクター(cofactor)であるため,アポ蛋白C-Ⅱ欠損症はLPL欠損症と同様の臨床像を示すことが知られている.したがってLPL欠損症を疑
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/レシチンコレステロールアシルトランスフェラーゼ〔LCAT〕 [保] 70点
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