基準値
・血清Ca濃度:8.6~10.0mg/dL
・血清イオン化Ca濃度:4.5~5.6mg/dL(1.15~1.33mmol/L)
共用基準範囲 8.8~10.1mg/dL(血清Ca濃度)
・尿中Ca濃度:尿の濃縮状態や摂取状況に影響されるため基準値はない
【参考値】(通常の食事摂取の場合)
・1日尿中Ca排泄量:100~300mg
・Ca排泄率(FECa):1~2%
パニック値 7mg/dL以下,12mg/dL以上(補正Ca濃度から判断する)
パニック値とその原因病態・危険病態表
測定法 キレート法と酵素法が汎用されている
検体量
・血清0.5mL
・尿1mL
日数 0~1日
目的 Ca代謝異常の診断
NOTE *保険点数:11点(包)(Ca),26点(包)(イオン化Ca)
Decision Level
●8.6mg/dL未満(低Ca血症)(補正Caより判断)
[高頻度]慢性腎不全,ビタミンD欠乏,原発性および続発性副甲状腺機能低下症,低Mg血症 [可能性]偽性副甲状腺機能低下症,ビタミンD作用不足,副甲状腺摘出術後(hungry bone syndrome),腫瘍崩壊症候群,横紋筋融解症,急性膵炎,薬剤性〔ビスホスホネート,デノスマブ,ロモソズマブ,カルシウム受容体作動薬(シナカルセトなど),輸血時のクエン酸,ループ利尿薬,抗痙攣薬,ホスカルネット,プロトンポンプ阻害薬,H2阻害薬〕 [対策]程度と症状の有無により,Ca製剤とビタミンD製剤の経口投与またはグルコン酸カルシウムの静脈投与を行う.低Mg血症や高P血症を伴う場合にはこれらの治療も併せて行う
●10.1mg/dL以上(高Ca血症)
[高頻度]原発性副甲状腺機能亢進症,悪性腫瘍(PTHrP産生腫瘍,局所性骨融解,多発性骨髄腫,成人T細胞性白血病など),肉芽腫性疾患(サルコイドーシス,結核など),ビタミンD過剰投与 [可能性]長期臥床(不動),内分泌
関連リンク
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