基準値
・血清AG:12±2mEq/L
・尿AG:0~10mEq/L
測定法 血清,尿検査データより以下の式で計算される
・血清AG=Na-Cl-HCO3-(血漿または血清検査値)※ただし,低アルブミン血症がみられる際には次の式からの補正AGを用いる
・補正血清AG=Na-Cl-HCO3-+2.5×Alb減少分(mg/dL)
・尿AG=Na+K-Cl(尿検査値)
目的 代謝性酸塩基平衡異常の鑑別診断
Decision Level
●14mEq/L以上(AG上昇型代謝性アシドーシス)
[高頻度]乳酸性アシドーシス,ケトアシドーシス,腎不全,薬剤中毒(サリチル酸,メタノール,急性アルコール中毒,アスピリン中毒,エチレングリコール中毒) [可能性]血清アルブミン増加,アルカリ血症,K・Ca・Mgの低下,細胞外液量減少,高P血症,単クローン性高γ-グロブリン血症 [対策]原因検索と原因への対応
●10mEq/L以下
[高頻度]低アルブミン血症,高γ-グロブリン血症(IgG型多発性骨髄腫など) [可能性]Li中毒,Br中毒,I中毒,K・Ca・Mgの上昇,低P血症 [対策]原因検索と原因への対応
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血清AGは血清重炭酸(HCO3-)濃度の測定を行った際に,Na-Cl-HCO3-で計算される値で,代謝性アシドーシスの鑑別診断の絞り込みに利用される.血清AGの増加がみられた際には,AG増加型代謝性アシドーシスの存在が強く示唆される.混合性酸塩基平衡異常によりpHに異常がみられないこともあるため,血液ガス分析検査を行った際には必ず計算すべき値である.血清のイオン組成は陽イオンと陰イオンが等価で存在する.陽イオンはNaがほとんどで,その他の陽イオン(K,Ca,Mg,γ-グロブリンなど)はわずかである.一方,陰イオンはClとHCO3-が主であり,その他は蛋白(特にアルブミン),リン酸,有
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