基準値 0.55~1.5mg/dL(3.1~8.5μmol/L)
測定法 HPLC
検体量 血清1.0mL
日数 4~8日
目的 ビタミンC栄養状態の判定
Decision Level
●0.20mg/dL未満(低値)
[高頻度]ビタミンC欠乏症(壊血病) [可能性]血液透析,貧血,妊娠,脂肪性下痢,アルコール依存症,吸収不良症候群,甲状腺機能亢進症,リウマチ性疾患,癌 [対策]ビタミンCの経口投与
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ビタミンCは生合成されないので,摂取不足や吸収障害で血中濃度は低下する.
判読
新鮮な果実,緑黄色野菜などのビタミンCの多い食物の摂取量により変動する.喫煙,ストレス,運動,妊娠,授乳などで血中ビタミンCは低下する.血中のビタミンCは約2.0mg/dLで飽和するので,過量のビタミンCは腎臓から排泄される.
採取保存
特に溶血に注意する必要がある.速やかに5g/dLメタリン酸,10g/dLトリクロール酢酸で除蛋白し,-20℃以下に凍結保存すれば2カ月程度は安定である.
薬剤影響
低下アミノピリン,アスピリン,バルビツール酸塩,重金属,ニトロソアミン,エストロゲン,経口避妊薬により低下する.
測定前後の患者指導
①一般薬(OTC),医療薬の経口総合ビタミンC薬,高カロリー輸液用総合ビタミン薬,ビタミンCを含む健康食品の使用について確認する必要がある.②1日必要量は85mgである.③良好な栄養状態の健康な成人ではビタミンC保持能力は2~6週程度であり,さらに壊血病の発症は80~120日の欠乏後に起こる.④多くの疫学調査と前向き研究において,ビタミンCの食事からの摂取量と心血管疾患のみならず,多くの癌の発症率との間に負の相関が認められる.しかし,ビタミンCサプリメントによるこれらの疾患の抑制効果は,ほとんどすべての大規模臨床試験では認められない.
推奨する総説
伊藤貞嘉,佐々
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