基準値
●一晩少量デキサメタゾン抑制試験
・デキサメタゾン(0.5mg)投与翌朝の血中コルチゾールが5μg/dL以下,ACTH10pg/mL以下
ただし,コルチゾールの抑制が不十分で3μg/dL以上の場合は臨床徴候を欠くが,軽度のACTHまたはコルチゾール分泌亢進を認めるサブクリニカルCushing病ないしサブクリニカルCushing症候群の可能性が否定できない(健常者では3μg/dL以下が多い)
●標準デキサメタゾン抑制試験
・尿中17-OHCS:コントロール日の1/2以下に減少
・尿中遊離コルチゾール:コントロール日の1/2以下に減少
上記をもって抑制ありとする.ただし,これらの指標のうちで判定に乖離がみられた場合には,尿中遊離コルチゾールの値が最も信頼性が高いと考えられる
測定法 試験方法として代表的なものをDecision Levelの項で解説する
検体量
・尿中17-OHCS,尿中17-KS:トルエン加1日蓄尿から各20mL
・尿中遊離コルチゾール:1日蓄尿中から5mL
・血清コルチゾール:血清0.2mL
・血漿ACTH:EDTA加容器で採血,血漿1mL
日数 2~7日
目的 コルチゾール過剰症の診断と評価
Decision Level
表86図参照.
■試験方法
デキサメタゾン抑制試験には種々の試験方法があるが,ここでは代表的な方法を示す.
●一晩少量(0.5mg)デキサメタゾン抑制試験
主に高コルチゾール血症が機能的なものか器質的なものかを鑑別する
●1日目
午前9時:血中コルチゾール,ACTH測定
午後11時:デキサメタゾンを0.5mg内服
●2日目
午前9時:血中コルチゾール,ACTH測定
●一晩大量(8mg)デキサメタゾン抑制試験
一晩少量と同じ方法で0.5mgの代わりに8mgを内服する
●標準デキサメタゾン抑制試験
8mg(1回2mg,1日4回),2日間デキサメタゾンを内服し,2日目の尿中17-O
関連リンク
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- 臨床検査データブック 2023-2024/成長ホルモン〔GH〕 インスリン負荷(低血糖)試験 [保] 1,200点(包)
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- 臨床検査データブック 2023-2024/成長ホルモン〔GH〕 L-ドーパ負荷試験 [保] 1,200点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/LHRH負荷試験(黄体形成ホルモン放出ホルモン負荷試験) [保] 1,600点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/副腎皮質刺激ホルモン〔ACTH〕 [保] 189点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/CRH(CRF)負荷試験(コルチコトロピン放出ホルモン負荷試験) [保] 1,200点(包)
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- 新臨床内科学 第10版/3 高プロラクチン血症
- 新臨床内科学 第10版/4 下垂体機能低下症
- 新臨床内科学 第10版/(1)副腎腺腫,副腎過形成(ACTH非依存性大結節性副腎皮質過形成)
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