基準値 14~28μg/mL
測定法 RIA(PEG法),EIA
検体量 血清0.5mL
日数 1~3日
目的 妊娠におけるTBG増多症の判定
Decision Level
●50μg/mL以上(高度増加)
[可能性]遺伝性TBG増多症(男性) [対策]家族調査をし遺伝性高TBG血症が判明したら,学術発表する価値があるくらい珍しいものである
●28~50μg/mL(軽度~中等度増加)
[高頻度]妊娠,経口避妊薬内服などエストロゲン過剰状態.慢性活動性肝炎,甲状腺機能低下症 [可能性]遺伝性TBG増多症(男性,女性とも),男性ホルモン減少症 [対策]さらに血中T4と遊離T4(FT4)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)を測定する
●5~14μg/mL(軽度~中等度減少)
[高頻度]甲状腺機能亢進症,低蛋白血症(たとえばネフローゼ症候群など) [可能性]遺伝性TBG減少症,遺伝性TBG欠損症のヘテロ接合体(女性),男性ホルモン過剰症 [対策]さらに血中T4,FT4およびTSHを測定する
●5μg/mL未満(高度減少)
[高頻度]TBG欠損症(男性) [可能性]遺伝性TBG著明減少症(男性),遺伝性TBG著明減少症のホモ接合体(女性) [対策]家族調査をする
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
臨床的に最も意義ある測定は,妊娠時である.妊娠前期から増加し始め,妊娠中期には非妊娠時の約2倍に増加するように,妊娠時期によってその増加度が異なる.TBG増多症は血中FT4値の測定に影響を及ぼし,低値,ときには0.8μg/mLくらいを示すことがあるので注意が必要である.そのため,妊娠時にはFT4に加えTSHも測定して総合的に判断する.また,甲状腺機能検査成績に乖離があったり,たとえば血中TSH値がその他のデータと比べて不適合であったりする例については,TBGの測定を必ず行い,結合蛋白異常症でないか検査することが必要であ
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