基準値

・PA(ミクロソームテスト)：陰性(100倍未満)

・RIA，EIA：0.3U/mL以下

高感度測定法(RIA，EIA)が抗TPO抗体として測定され，普及してきている．本項ではPA(受身凝集反応)によるミクロソームテスト(抗甲状腺ミクロソーム抗体半定量)も含めて解説する

測定法　PA，RIA，EIA

検体量　血清0.3mL

日数　1～3日

目的　慢性甲状腺炎(橋本病)の診断

NOTE‍　^＊保険点数：ミクロソームテスト(マイクロゾームテスト)の点数は37点

Decision Level

●PA：1,600倍以上(高度増加)

●RIA，EIA：100U/mL以上(高度増加)

[高頻度]慢性甲状腺炎(橋本病)，萎縮性甲状腺炎(粘液水腫)，Basedow病　[可能性]無痛性甲状腺炎　[対策]さらに抗サイログロブリン抗体(TgAb)および甲状腺刺激ホルモン(TSH)レセプター抗体を測定して，診断を確立させる

●PA：100～1,600倍(軽度増加)

●RIA，EIA：0.3～100U/mL(軽度増加)

[高頻度]慢性甲状腺炎(橋本病)，Basedow病，無痛性甲状腺炎　[可能性]亜急性甲状腺炎の一時期，膠原病，腺腫様甲状腺腫　[対策]さらにTgAbおよびTSHレセプター抗体を測定して，診断を確立させる

●PA：100倍未満(基準値)

●RIA，EIA：0.3U/mL以下(基準値)

[可能性]単純性甲状腺腫，Basedow病，甲状腺腫瘍，亜急性甲状腺炎，腺腫様甲状腺腫　[対策]さらにTgAbとTSHレセプター抗体を測定して，診断を確立させる

異常値のでるメカニズムと臨床的意義

　抗ミクロソーム(マイクロゾーム)抗体の抗原である甲状腺ミクロソーム分画は，1980年代に甲状腺ペルオキシダーゼであることが判明した．この抗体は甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)と結合し，in vitroでTPO活性を阻害する．また，in viv