基準値
・血中:4.4~15.1ng/mL
・尿中:2.1~6.3mg/日
測定法 HPLC
検体量
・血漿1.5mL
・尿1.5mL
日数 3~6日
目的 ドーパないしドーパミン産生腫瘍の診断
Decision Level
■尿中HVA
●6.4mg/日以上(高値)
[高頻度]神経芽腫,交感神経芽腫,交感神経節細胞腫,悪性黒色腫,褐色細胞腫 [可能性]本態性高血圧症,神経性食思不振症,Tourette症候群,小児自閉症,統合失調症の一部,うつ病の一部 [対策]CT,123I-MIBGなどによる局在診断
●2.0mg/日以下(低値)
[可能性]Parkinson症候群,Alzheimer病,Down症候群,Shy-Drager症候群 [対策]神経内科学的診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
HVAは,ドーパおよびドーパミンの最終代謝産物である.ドーパは,カテコールアミンおよびメラニンの前駆物質であり,ドーパミンはカテコールアミンの一種で,クロム親和性細胞内でノルアドレナリンやアドレナリンに転換され,交感神経系の調節に関与するだけでなく,神経伝達物質として中枢で重要な働きをしている.すなわち,HVAは,生体におけるドーパおよびドーパミン産生を反映し,中枢および末梢の交感神経機能を推測できる.
血漿および尿中のHVAの約60%は,副腎などの末梢臓器に由来する.クロム親和性細胞腫のうちドーパミンを過剰に産生する神経芽細胞腫や,ドーパを多量に産生する悪性黒色腫では,HVAが高値を示すので,その診断や治療効果の指標として用いられる.
[関連する検査]
褐色細胞腫の診断には,尿中カテコールアミン(アドレナリン/ノルアドレナリン),バニリルマンデル酸(VMA),メタネフリン測定などを行う.神経芽腫の診断では,尿中カテコールアミン(ドーパミン),尿中VMA測定を併用する.
[特定背景のある患者]
腎機能障害患者で
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