基準値 表88図参照
測定法 GC-MS法
検体量 蓄尿25mL
日数 6~7日
目的 副腎皮質と性腺由来のアンドロゲンの分泌量の評価
Decision Level
■アンドロステロン(An)と11-OH-An
●基準下限以下
[高頻度]性腺機能低下症 [可能性]甲状腺機能低下症 [対策]血中テストステロン濃度を測定する.また,血中黄体化ホルモン(LH),卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を測定する
●基準上限以上
[高頻度]Cushing症候群,先天性副腎皮質過形成(21-ヒドロキシラーゼ欠損症,11β-ヒドロキシラーゼ欠損症) [可能性]精巣(睾丸)腫瘍,卵巣腫瘍,多嚢胞性卵巣(PCO),甲状腺機能亢進症 [対策]血中コルチゾールやテストステロン濃度を測定する
■エチオコラノロン(Et)
●基準下限以下
[高頻度]甲状腺機能亢進症 [対策]血中甲状腺ホルモン濃度を測定する
●基準上限以上
[高頻度]Cushing病 [可能性]甲状腺機能低下症 [対策]血中コルチゾールや甲状腺ホルモン濃度を測定する
■デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)
●基準上限以上
[高頻度]副腎癌,Cushing病,PCO [対策]血中コルチゾール濃度を測定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
尿中に排泄される17-KSのうち,11-デオキシ-17-KSに含まれるAn,Et,デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)と,11-オキシ-17-KSに含まれる11-ヒドロキシ-An,11-ヒドロキシ-Et,11-ケト-Et,11-ケト-Anの7分画を測定する.前3者は,副腎皮質と性腺に由来し,後4者は副腎皮質に由来する.男性においては,副腎由来のアンドロゲンと精巣(睾丸)由来のテストステロンの分泌と代謝を,女性では副腎性アンドロゲンの分泌と代謝が反映され,視床下部-下垂体-副腎系あるいは視床下部-下垂体-性腺系の機能を知ることができる.
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