基準値 2.7~15.5μg/dL
測定法 RIA,EIA
検体量 血漿0.5mL
日数 3~5日
目的 副腎からの糖質コルチコイドの分泌量の評価
Decision Level
●2.7μg/dL以下(基準下限以下)
[高頻度]下垂体機能低下症,Addison病 [可能性]ACTH単独欠損症,先天性副腎皮質過形成,合成副腎皮質ホルモン薬投与中 [対策]血中ACTH濃度を同時に測定する
●15.5μg/dL以上(基準上限以上)
[高頻度]Cushing病,Cushing症候群(副腎腺腫,癌) [可能性]異所性ACTH産生腫瘍,肥満,神経性食思(欲)不振症,CBG増加時(妊娠・エストロゲン投与中) [対策]血中ACTH濃度を同時に測定する.尿中17-ヒドロキシコルチコステロイド(OHCS),尿中17-ケトステロイド(KS),尿中遊離コルチゾール(17-OHCSが高値の単純性肥満では低値)の測定も参考になる.デキサメタゾン抑制試験が鑑別に必要なこともある
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
副腎皮質の束状層で合成される糖質コルチコイドである.下垂体前葉からのACTHにより分泌が調節されている.コルチゾールの1日分泌量は,約20mgであり,血中では90%がコルチコステロイド結合グロブリン(CBG,トランスコルチン)と結合して存在する.肝・腎で代謝され尿中へ排泄されるが,20~30%が17-OHCSとして測定される.
糖質コルチコイドの活性を推定するとともに,視床下部-下垂体-副腎系の病変を推定することができる.
[感度・特異度]
コルチゾールの血中濃度だけではCushing病やCushing症候群の診断を確定することはできない.そのためには,デキサメタゾン抑制試験(DST)が不可欠である.Suda Tら(Endocr J 56:469, 2009)によると, Cushing病の診断のために行われる0.5
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