基準値
・DHEA:1.2~7.5ng/mL
・DHEA-S:400~1,500ng/mL
測定法 RIA
検体量 血清0.5mL
日数 3~9日
目的 副腎からのアンドロゲンの分泌量の評価
NOTE *保険適用:DHEA-Sのみ保険が適用される.DHEAは現在受託機関なし
Decision Level
●基準下限以下
[高頻度]下垂体機能低下症,Addison病,副腎腺腫によるCushing症候群 [可能性]先天性副腎皮質過形成(17α-ヒドロキシラーゼ欠損症),Turner症候群,Klinefelter症候群,思春期遅発症
●基準上限以上
[高頻度]Cushing病 [可能性]Cushing症候群〔異所性副腎皮質刺激ホルモン(ACTH)産生腫瘍,副腎癌〕,先天性副腎皮質過形成(21-ヒドロキシラーゼ欠損症,11β-ヒドロキシラーゼ欠損症),多嚢胞性卵巣(PCO),特発性思春期早発症,高プロラクチン血症
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
副腎由来のアンドロゲンのほとんどはDHEA-Sである.副腎アンドロゲンの生物学的活性は非常に弱い.DHEA-Sの半減期は360分と長く,テストステロンの前駆物質といえる.男女ともDHEA-Sのほとんどすべては副腎由来であるが,DHEAの10~20%は精巣(睾丸)あるいは卵巣由来である.副腎から分泌されたDHEA-Sは,末梢でDHEAへ変換される.これらDHEAは,副腎や性腺から分泌されたDHEAとともに,アンドロステンジオンへの転換を受け,さらにテストステロン,ジヒドロテストステロンへと転換され,男性ホルモンとしての作用を示す.男性ではDHEAからテストステロンへの転換は1%以下で,テストステロンのほとんどが精巣由来である.一方,女性では副腎と卵巣由来のDHEA,アンドロステンジオンからテストステロンへの転換が,テストステロンの大部分を占める.
DHEAやDH