基準値
●非妊婦
・卵胞期:0.28~1.42mg/日
・黄体期:0.79~6.83mg/日
●妊婦
・前期:1.29~6.08mg/日
・中期:3.05~24.22mg/日
・後期:9.1~60.51mg/日
●男性 0.16~0.79mg/日
測定法 GC-MS法
検体量 尿12mL
日数 6~7日
目的 性腺,胎盤,副腎機能の評価
Decision Level
●低値(非妊娠時)
[可能性]卵巣機能低下症,黄体機能不全,下垂体機能低下症,Addison病 [対策]LH/FSH,ACTH測定や各種下垂体負荷試験.血中エストラジオール(E2),プロゲステロン(P4)測定.ホルモン補充療法
●低値(妊娠時)
[可能性]胎盤機能不全症(妊娠高血圧症候群,子宮内胎児発育遅延) [対策]血中P4,HCG測定.超音波断層法による診断.産科的治療
●高値
[高頻度]妊娠 [可能性]先天性副腎皮質過形成,副腎性器症候群,Cushing症候群,副腎癌,精巣(睾丸)間質細胞腫,本態性高血圧 [対策]性腺,副腎機能の精査と原因疾患の治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
黄体で作られたP4は肝臓にて還元され,約65%が5β-プレグナン-3α,20α-ジオールとなる.これを通称プレグナンジオール(P2)といい,さらに3位にグルクロン酸が抱合して5β-プレグナン-3α,20α-ジオール-3-グルクロニドとして尿に排泄される.すなわち尿中P2は,血中P4値を反映しており,月経周期の黄体期におけるP4産生能を示し,妊娠中は胎盤機能を表す.妊娠中には尿中P2は高値となり,黄体機能不全や胎盤機能不全の際には尿中P2は低値となる.また,P2は副腎や精巣(睾丸)で産生されるP4の代謝物としても存在するので,男性および小児でも存在し,Addison病や下垂体機能低下症にて尿中P2が低下し,各種酵素欠損による先天性副腎皮質過形成の際には高値となる.
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