基準値 1.0U/mL未満
測定法 EIA法
検体量 血清0.2mL
日数 7~14日
目的 1型糖尿病の診断
Decision Level
●陽性(1.0U/mL以上)
[高頻度]1型糖尿病 [対策]血糖,ケトン体,HbA1cなど糖代謝異常の程度を判定する.血中・尿中C-ペプチド測定などによる内因性インスリン分泌能を判定する.抗膵島細胞質抗体(ICA),抗GAD抗体,インスリン自己抗体(IAA)などその他の主要な膵島関連自己抗体を測定する.主要組織適合抗原(HLA)を検索することにより,1型糖尿病の疾患感受性を判定する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
insulinoma-associated antigen-2(IA-2)はICA陽性患者血清と膵島のcDNAライブラリーを用いた発現クローニング法によって,ICAの対応抗原の1つとしてクローニングされた蛋白である.979個のアミノ酸からなるこの糖蛋白は膵島の分泌顆粒膜に存在し,受容体型チロシンホスファターゼ構造を有している.
抗IA-2抗体はこの蛋白に対する自己抗体であり,その認識する主なエピトープは,IA-2のアミノ酸762~887番,および949~979番のC末端のアミノ酸で形成する立体構造にあると考えられている.1型糖尿病患者の血清はICA512と呼ばれる蛋白とも反応するが,この蛋白はIA-2のN端側388個のアミノ酸とC端側65個のアミノ酸が欠けたペプチドであることが判明し,抗ICA512抗体と抗IA-2抗体は同一であることがわかり,抗ICA512/IA-2抗体とも呼ばれる.
●臨床的意義
若年発症の1型糖尿病患者では発症早期には70~80%で陽性となるが,発症年齢が高い患者では陽性率は低く,26歳以上では発症早期でも20%前後と低率であると報告されている.また,罹病期間との関係では,1型糖尿病発症後,比較的早期に消失すると考え
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗膵島細胞質抗体〔ICA〕
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗グルタミン酸デカルボキシラーゼ抗体〔抗GAD抗体〕 [保] 134点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗核抗体〔ANA〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗DNA抗体抗2本鎖DNA〔抗ds-DNA〕IgG抗体抗1本鎖DNA〔抗ss-DNA〕IgG抗体 [保] 163点
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗Sm抗体 [保] 151点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗SS-A/Ro抗体 [保] 161点(包)
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗β2グリコプロテインⅠ抗体〔抗β2-GPⅠ抗体〕 [保] 226点
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗カルジオリピン-β2-グリコプロテインⅠ複合体抗体〔抗CL-β2-GPⅠ抗体〕 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/抗アセチルコリン受容体抗体〔抗AChR抗体〕 [保] 798点