基準値
・アセト酢酸:68μmol/L以下
・β-ヒドロキシ酪酸(3-ヒドロキシ酪酸):74μmol/L以下
・総ケトン体:120μmol/L以下
・動脈血ケトン体比(arterial ketone body ratio;AKBR)(アセト酢酸/β-ヒドロキシ酪酸):1以上
測定法 酵素法
検体量 血清0.5~1.5mL
日数 2~3日
目的 糖代謝異常・肝機能(動脈血)の指標
Decision Level
■総ケトン体
●120~2,000μmol/L(増加)
[高頻度]1型糖尿病,コントロール不良の2型糖尿病,栄養不良,新生児 [可能性]糖尿病,SGLT2阻害薬治療,短期絶食,嘔吐,下痢,運動後,妊娠後期,乳幼児,甲状腺機能亢進症,末端肥大症,褐色細胞腫,グルカゴノーマ,ストレス [対策]採血時の食事・生活・服薬状況の確認,血糖値測定
●2,000μmol/L以上(高度増加)
[高頻度]1型糖尿病(未治療,治療中止,感染時など) [可能性]糖尿病,長期飢餓状態,妊娠悪阻,高度糖質制限 [対策]アシドーシスの検索(動脈血液ガス検査).糖尿病性ケトアシドーシスでは電解質に注意しつつインスリン+生理食塩液の静脈投与を行う.炭酸水素ナトリウム投与は通常必要ない
■AKBR(アセト酢酸/β-ヒドロキシ酪酸)
●0.7未満(高度低下)
[高頻度]肝硬変,肝不全,ショック・肝手術による肝虚血障害
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ケトン体(アセト酢酸,β-ヒドロキシ酪酸,アセトン)は,肝で脂肪酸の酸化産物として生成され,肝外にて燃料として利用される.高ケトン体血症は,肝でのケトン体生成が増加することにより引き起こされる.すなわち,①インスリン作用欠乏(糖尿病),コルチゾル・アドレナリンなどのインスリン拮抗ホルモンの増加によって脂肪組織での脂肪分解が促進され,遊離した脂肪酸の肝への流入亢進,②飢餓などによるグルコース欠
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