基準値
・成人:4~16mg/dL
・小児(8~15歳):5~18mg/dL
測定法 酵素法
検体量 除蛋白液0.4mL
日数 2~4日
目的 乳酸アシドーシスの診断および治療の指標
Decision Level
●16mg/dL(小児18mg/dL)以上(増加)
[高頻度]組織循環不全を伴うもの:骨格筋の過剰運動(痙攣,強度の筋緊張),ショック,心筋梗塞,左心不全,大量失血,肺栓塞,呼吸不全,慢性貧血,急性シアン中毒,急性一酸化炭素(CO)中毒 [可能性]組織循環不全を伴わないもの:肝不全,尿毒症,糖尿病,ビタミンB1欠乏症,悪性腫瘍,アルカローシス,薬物,ホルモン,毒物,先天性酵素欠損症(糖原病Ⅰ型,フルクトース-1,6-ビスホスファターゼ欠損症,ピルビン酸カルボキシラーゼ欠損症,ピルビン酸脱水素酵素欠損症,ミトコンドリア異常症) [対策]原疾患の診断と治療
●4mg/dL(小児5mg/dL)以下(減少)
[高頻度・可能性]Ⅰ型以外の糖原病,乳酸脱水素酵素欠損症,筋ホスホグリセリン酸キナーゼ欠損症 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
乳酸は骨格筋,脳および赤血球でのグリコーゲン代謝に始まる解糖系代謝経路の最終産物として,嫌気的にピルビン酸から産生され,ほとんどが肝および腎で代謝される.そして,異常高値をとった状態を乳酸アシドーシスと呼び,糖尿病性ケトアシドーシスや腎不全と並ぶ死亡率の高い代謝性アシドーシスであり,ショックなどによる循環不全や,全身性の代謝異常によって引き起こされる.また,筋疾患,脳筋症,脊髄小脳変性症の一部などの原因として,糖原病,ミトコンドリア異常症を考えるとき,負荷試験やDNA解析にて鑑別診断する.一方,運動強度の指標としては,乳酸の血液中濃度が急増する変移点を乳酸変移点といい,最大酸素摂取量の一般人で50~60%,運動選手で70~80%とされて
関連リンク
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