基準値
・全血:4.3mg/dL未満
・尿:0~13mg/dL
測定法 ガラクトースデヒドロゲナーゼ法
検体量 全血1mL
日数 3~7日
目的 先天性ガラクトース血症のスクリーニング
NOTE *保険点数:新生児マススクリーニングは保険適用があるが,肝疾患にはない
Decision Level
■新生児,小児期のガラクトース血症
●全血8.0mg/dL以上(増加)
[高頻度]ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼ異常症,ガラクトキナーゼ異常症,UDP-ガラクトース-4-エピメラーゼ欠損症 [可能性]肝疾患,門脈異常(門脈の先天的欠損,門脈左腎静脈短絡,肝血管腫による門脈管静脈短絡) [対策]赤血球酵素の測定
■成人のガラクトース血症
●全血4.3mg/dL以上(増加)
[高頻度・可能性]肝疾患(肝硬変,急性肝炎) [対策]原疾患の検査を進める
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ガラクトースは,乳糖が腸でガラクトースとグルコースに加水分解されて吸収される.血中ガラクトースは肝臓にてガラクトキナーゼ,ガラクトース-1-リン酸ウリジルトランスフェラーゼなどの酵素によって解糖系にまで代謝される.遺伝性にこれらの酵素欠損症が認められる患児では,血中ガラクトースが上昇する.診断には,赤血球中の酵素活性を測定する.新生児マススクリーニングで陽性となる①胆汁うっ滞をきたす疾患,②門脈-体循環シャント,③シトリン欠損症,④Fanconi-Bickel症候群,G6PD欠損症など鑑別を要する.
肝障害時にはガラクトース代謝が低下し,また門脈-大静脈シャントができるため,血中ガラクトースが増加するので肝機能検査としても測定される.
[感度・特異度]
新生児スクリーニングに用いられているキットの感度の多くは0.2~20mg/dLである.
[見逃してはならない異常値]
新生児スクリーニングで20mg/dL以上の場合,
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