診療支援
検査

Ⅰ型プロコラーゲン-N-プロペプチド〔P1NP〕  
aminoterminal propeptide of type 1 procollagen
福本 誠二
(徳島大学特任教授)

基準値

●intact P1NP(受託検査会社なし)

・男性:19.0~83.5μg/L

・閉経前女性(30~44歳):14.9~68.8μg/L

・閉経後女性(45~80歳):27.0~109.3μg/L

●total P1NP

・男性(30~83歳):18.1~74.1μg/L

・閉経前女性(30~44歳):16.8~70.1μg/L

・閉経後女性(45~79歳):26.4~98.2μg/L


測定法 RIA法(intact P1NP),ECLIA法(total P1NP)


検体量 血清0.3~0.4mL


日数 2~4日(total P1NP)


目的 骨代謝回転,特に骨形成状態の把握


NOTE‍ 保険点数:163点(包)(intact P1NP),164点(包)(P1NP)


Decision Level

 性別,閉経前後によって骨なる基準値が設定されていることから,該当する基準値を使用する必要がある.臨床的には,骨粗鬆症患者のテリパラチドによる治療反応性の指標として使用する場合が多い.この場合,最小有意変化はintact P1NPで12.1μg/L,total P1NPで14.4μg/Lである

●高値

 骨代謝回転,特に骨形成の亢進を意味する.通常の骨リモデリングでは,破骨細胞による骨吸収と骨芽細胞による骨形成は釣り合っている.これを,骨吸収と骨形成のカップリングと呼んでいる.したがって,骨代謝回転の亢進時には,骨吸収マーカーも骨形成マーカーも高値を示すことが多い.ただし,多発性骨髄腫やhumoral hypercalcemia of malignancyでは,骨吸収は亢進するものの骨形成は促進されない場合が多く,ロモソズマブの投与では骨形成の促進と骨吸収の抑制が起こる

[高頻度]原発性副甲状腺機能亢進症,続発性副甲状腺機能亢進症,甲状腺機能亢進症,骨粗鬆症,骨形成性骨転移,骨折後,骨Paget病,テリパ

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