基準値 陰性
測定法 患者血清とO型赤血球とを反応させ,その後,抗ヒトグロブリン血清(Coombs血清)を加え,凝集の有無をみる.血清中の抗赤血球不完全抗体(主にIgG型)を検出する.輸血検査で不規則抗体の抗原を同定する際は,O型赤血球の代わりに赤血球の抗原が同定されているヒトの赤血球(市販されている)と,受血者の血清とを反応させる
検体量 血清または血漿2mL(抗凝固剤はEDTA)
日数 2~4日
目的 他人の赤血球と反応する同種抗体の検出
Decision Level
間接Coombs試験の適応は血液型不適合輸血,血液型不適合妊娠など,輸血検査関連に用いられる.自己免疫性溶血性貧血の検査には直接Coombs試験が行われ,間接Coombs試験は必要ではない(表107図).
●陽性
[高頻度]輸血の既往歴のある患者,妊娠歴のある患者で赤血球同種抗体の存在する患者 [可能性]自己免疫性溶血性貧血(特発性,薬剤誘導性)で自己抗体と同時に,同種抗体を産生している場合 [対策]多くは輸血後,溶血の原因となるので,同種抗体の抗原を同定し,その抗原をもたない赤血球輸血製剤を用意する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
赤血球に対する抗体は,自分の赤血球と反応する自己抗体と,自分の赤血球には反応しないがある種の抗原をもつ他人の赤血球と反応する同種抗体がある.同種抗体には抗A抗体,抗B抗体などの自然同種抗体と,血液型不適合輸血・妊娠などで免疫され後天的に獲得された,免疫(獲得)同種抗体がある.間接Coombs試験は同種抗体を検出するための試験方法である.
IgG型抗赤血球抗体は,一般には赤血球と反応しても生理食塩液中では凝集を起こさない不完全抗体である.凝集を起こすためには,赤血球をブロメリンなどの酵素で処理する,アルブミンなどを添加する,抗IgG抗体を加えるなどの方法がとられる.最後に示した抗IgG抗
関連リンク
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