Decision Level

●30～70％(低下)

[高頻度]ワルファリン投与，ビタミンK欠乏症(新生児，母乳栄養児，閉塞性黄疸，下痢，抗菌薬長期投与など)，肝硬変，DIC　[可能性]凝固因子に対するインヒビター，N-メチルテトラゾルチオール基(N-MTT基)をもつ抗菌薬の投与，ヘパリン投与　[対策]プロトロンビン時間(PT)，ヘパプラスチンテスト(HPT)，APTTの測定．肝機能のチェック．ビタミンK投与による改善の有無の確認

●30％以下(高度低下)

[高頻度]ワルファリン投与，ビタミンK欠乏症，非代償性肝硬変，劇症肝炎，DIC　[可能性]第Ⅱ，Ⅶ，Ⅹ因子欠乏症　[対策]PT，HPT，APTT，フィブリノゲン測定，PIVKA測定，第Ⅱ，Ⅶ，Ⅹ因子活性測定，ビタミンK投与による改善の有無の確認

異常値のでるメカニズムと臨床的意義

　TTはビタミンK依存性因子である第Ⅱ，Ⅶ，Ⅹ因子を反映するように工夫された凝固時間である．

　ビタミンK欠乏症やワルファリン投与により生成される凝固活性を有さない因子であるPIVKAはこの第Ⅱ，Ⅶ，Ⅹ因子を結果的に阻害して凝固時間が延長する．PTよりPIVKAの影響を受けて延長しやすい特徴がある．つまりワルファリンによる抗凝固作用を総体(活性のある凝固因子の減少とPIVKAの出現)としてとらえて治療のコントロール指標として用いるために開発されたもので，PTよりワルファリンに対する特異性の高い検査として利用されてきた．ウシ脳由来のトロンボプラスチンを試薬として統一して使用されているため，PT試薬と比較して施設間のバラツキが少ないことが特徴である．しかしながら測定感度は活性5％まで