診療支援
検査

Dダイマー《D-Dダイマー》  
★★
D dimer《D-D dimer》
橋口 照人
(鹿児島大学大学院教授・血管代謝病態解析学分野)

基準値

・LPIA:1.0μg/mL以下

・ELISA:0.5μg/mL以下

・ラテックス凝集法:0.15μg/mL以下


測定法 ラテックス免疫比濁法,酵素(蛍光)免疫測定法,ELISA,イムノクロマト法


検体量 血漿0.4mL


日数 即日


目的 DIC,二次線溶,肺血栓塞栓症の診断,組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)やウロキナーゼによる治療効果判定


NOTE‍ 保険点数:122点(包)(定性),128点(包)(半定量),130点(包)(定量)


Decision Level

■LPIA

●1~5μg/mL(増加)

[高頻度]DIC,血栓症(DVT,PE),血栓溶解療法,心筋梗塞,脳梗塞,白血病 [可能性]肝硬変,術後,大動脈瘤,悪性腫瘍,血栓性血小板減少性紫斑病(TTP),溶血性尿毒症症候群(HUS) [対策]トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT),プラスミン・α2-プラスミンインヒビター複合体(PPIC),フィブリノゲン,プロトロンビン時間(PT)の測定

●5μg/mL以上(高度増加)

[高頻度]DIC,肺血栓塞栓症,血栓溶解療法,心筋梗塞,白血病 [可能性]血栓症,悪性腫瘍 [対策]TAT,PPIC,フィブリノゲン,PT,血小板数測定などDIC存否の確認.原疾患の治療.DICがあればヘパリンなどの抗凝固療法および支持療法


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 フィブリノゲンにトロンビンが作用すると,フィブリンポリマーが形成されて不溶性のフィブリン網(構造的には不安定)となる.一方,Caイオンの存在下にトロンビンにより活性化された活性第ⅩⅢ因子(別名フィブリン安定化因子)は,近傍にある別々のフィブリンのC末端側でγ鎖同士やα鎖同士を架橋結合(γダイマー,αポリマーの形成)して安定化フィブリンを形成する.したがって架橋フィブリンのD領域は2つずつ架橋結合し,かつE領域と非共有結合して存在し

関連リンク

この記事は医学書院IDユーザー(会員)限定です。登録すると続きをお読みいただけます。

ログイン
icon up
あなたは医療従事者ですか?