基準値 70~130%
測定法 凝固時間法
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~6日
目的 第Ⅸ因子欠乏および血友病Bの診断
Decision Level
●25~70%(低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),肝硬変,DIC [可能性]L-アスパラギナーゼ投与,血友病B保因者,インヒビター [対策]活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン時間(PT)の測定
●25%未満(高度低下)
[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏症 [可能性]血友病B,インヒビター [対策]APTT,PTの測定,インヒビターの確認,ビタミンK投与の考慮,凝固因子補充の考慮
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
第Ⅸ因子は肝で産生されるビタミンK依存性因子である.分子量約57,000で血中濃度は3~5μg/mL程度であり,血中半減期は約1日である.
内因系接触相の活性第Ⅺ因子とCaイオン,あるいは組織因子,活性第Ⅶ因子,Caイオン,リン脂質の複合体で限定分解を受けて活性化される.活性第Ⅸ因子はCaイオン,リン脂質,第Ⅷ因子と複合体(Xase複合体)を作って第Ⅹ因子を活性化する.
第Ⅸ因子欠乏症(血友病B)は血友病Aと同様,X連鎖性潜性遺伝形式をとり,出生男子3万人に約1人にみられ,血友病Aの約1/4の頻度である.遺伝子はX染色体に存在する.出血症状は関節内出血,筋肉内出血,消化管出血,血尿,脳出血などである.第Ⅸ因子活性により,1%未満は重症,1~5%は中等症,5%超~40%未満は軽症と分類する.また抗原量が1%未満のものはCRM-(血友病B-),1~50%のものはCRMR(血友病BR),50%以上はCRM+(血友病B+)に分類される(CRM:cross reacting material).EIAによる抗原量測定
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