診療支援
検査

プロテインC〔PC〕  
protein C
橋口 照人
(鹿児島大学大学院教授・血管代謝病態解析学分野)

基準値

・65~135%(活性)

・2.4~4.0μg/mL(抗原量総PC)

・2.5~3.8μg/mL(抗原量Gla-PC)


測定法 凝固時間法(活性),合成基質法(活性),ELISA(抗原),EIA(抗原),LPIA(抗原)


検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)


日数 2~4日


目的 ①血栓素因の原因診断,②ビタミンK欠乏の病態把握,③DIC(出生時の電撃性紫斑病)の病態把握


NOTE‍ 保険点数:232点(包)(プロテインC抗原),234点(包)(プロテインC活性)


Decision Level

●25~65%(低下)

[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),DIC,肝硬変,劇症肝炎 [可能性]ネフローゼ症候群,PC欠乏症,L-アスパラギナーゼ投与,抗リン脂質抗体症候群 [対策]トロンボテスト(TT),活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT),プロトロンビン活性などの測定

●25%未満(高度低下)

[高頻度]ワルファリン投与,ビタミンK欠乏(新生児,母乳栄養児,閉塞性黄疸,下痢,抗菌薬長期投与),非代償性肝硬変,DIC [可能性]PC欠乏症 [対策]DICの確認,TT,プロトロンビン活性の測定.原疾患の治療,ワルファリン投与の適応の考慮


異常値のでるメカニズムと臨床的意義

 主として肝で合成され,ビタミンK依存性の因子であるPCはアンチトロンビンとともに重要な凝固制御因子である.遺伝子は第2染色体にある.分子量約62,000で,血中濃度は約2.4~4.0μg/mLである.血中PCの10~15%は一本鎖分子で,大部分はS-S結合による二本鎖分子として存在する.L鎖のN末端側にはビタミンK依存性血漿蛋白に特徴的なγ-carboxyglutamic acid(Gla)残基が9個存在し,細胞膜上でのPC機能に関連している.血管内皮細胞のP

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