基準値 0.8μg/mL以下(EIA,LPIA)
測定法 EIA,LPIA
検体量 血漿0.3mL(クエン酸加)
日数 2~4日
目的 ①プラスミン生成の把握,②線溶亢進型DICの診断
Decision Level
●0.8~10μg/mL(増加)
[高頻度]ウロキナーゼ投与,DIC,血栓症,悪性腫瘍,大動脈瘤,糖尿病,膠原病,肝疾患(肝硬変) [可能性]ネフローゼ症候群,肝疾患,膠原病,組織プラスミノゲンアクチベータ(t-PA)投与 [対策]トロンビン・アンチトロンビン複合体(TAT),Dダイマー,プラスミノゲン(Plg),α2-プラスミンインヒビター(α2-PI)の測定,原疾患の治療
●10μg/mL以上(高度増加)
[高頻度](急性前骨髄球性白血病,腹部大動脈瘤,前立腺癌などに伴う)線溶亢進型DIC,ウロキナーゼ投与 [可能性]悪性腫瘍,t-PA投与 [対策]DICの存在,一次線溶の存否の確認,原疾患の治療,抗線溶薬投与の適応を考慮
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
プラスミンによるフィブリン分解が進行しプラスミンがやがてフィブリンから遊離してくると,プラスミンのリジン結合部位が露呈されるので,そこにα2-PIのC末端部リジン残基が結合し,プラスミンがα2-PIを限定分解した後にプラスミン(C末端にある活性中心セリン)とα2-PI(プラスミンによりArg376-Met365が切断される)が非可逆的に結合してPPICが形成されてプラスミンは失活する.プラスミンの活性部位以外にリジン結合部位に特異的に結合する部位がC末端に存在し,PPIC形成に相乗的に関与することも報告されている.
α2-PIの血中半減期が約2.5日であるのに対してPPICの血中半減期は6時間程度であるため,PPICは直近のプラスミン生成マーカーとなる.DICや血栓形成時の二次線溶や,前立腺癌,手術,ショック時などにみられ
関連リンク
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