基準値
●コラーゲン 2~5μg/mL:刺激で明らかな二次凝集を生じる(最大凝集率45%以上)
●アデノシン二リン酸(ADP) 2~10μM:刺激で解離を起こさない二次凝集を生じる
測定法 下記のように採血した血液を遠心し,多血小板血漿(PRP)を得る.このPRPを血小板凝集計にかけ,刺激剤添加後のPRPの透光度の変化を測定し,血小板凝集能を判定する
検体量 3.8%クエン酸ナトリウム1容と全血9容,採血10mL
日数 当日
目的 ①血小板機能の評価,②抗血小板薬のモニタリング
Decision Level
●凝集能亢進(コラーゲン0.5μg/mL以下,ADP0.5μM以下でも明らかな二次凝集を認める場合,また凝集惹起剤なしに攪拌のみで凝集が起きる場合)
[高頻度・可能性]冠動脈疾患,虚血性脳血管障害,糖尿病,脂質異常症など [対策]原疾患の治療,抗血小板薬の投与
●凝集能低下(コラーゲン5μg/mL以上,ADP10μM,リストセチン1.5mg/mL以上の刺激を使用しても二次凝集の低下や解離が認められる場合)
[高頻度・可能性]先天性血小板機能障害(血小板無力症,血小板放出異常症など,Bernard-Soulier病およびvon Willebrand病では,リストセチン凝集低下,欠如が特徴的である),薬物投与(アスピリンなど),骨髄増殖性疾患,尿毒症など [対策]原疾患の診断,他の血小板機能の測定,血小板膜蛋白測定
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
血小板凝集能は,血小板機能のうちで最も一般的に行われているものであるが,血小板同士の付着の状態を知る検査である.血小板が活性化を受けると,細胞内の活性化信号が発生し,最終的には膜糖蛋白GPⅡb/Ⅲaに結合したフィブリノゲンを介して血小板同士が凝集する.この経路のいずれかのポイントに異常が起きると,血小板凝集能異常が認められるわけである.異常が発生した
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