基準値 陰性
測定法 Putnam法(定性),免疫固定法(同定)
検体量 尿10mL
日数 3~5日
目的 骨髄腫やアミロイドーシスの診断
NOTE *保険点数:201点(ベンス・ジョーンズ蛋白同定).定性は2022年4月より保険適用外となった.
Decision Level
●陽性
[高頻度・可能性]多発性骨髄腫,マクログロブリン血症,原発性アミロイドーシス,慢性リンパ性白血病,その他のリンパ増殖性疾患 [対策]定性で陽性の場合は,免疫固定法などによる同定を行う.BJPが検出された場合は,骨髄穿刺により形質細胞の腫瘍性増殖の有無の確認する.なお定性は偽陰性も多く,BJPの存在の疑いが強いときは,定性ではなく同定を行う
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
BJPとは単クローン性に産生された免疫グロブリンのL鎖で,分子量が小さいために尿中に排泄される.多発性骨髄腫やマクログロブリン血症などの形質細胞の腫瘍性疾患においてM蛋白とともに,あるいは単独で検出される.骨髄腫の約60%,マクログロブリン血症の約20%がBJP陽性である.BJP陽性の多発性骨髄腫は腎障害を合併しやすい.原発性アミロイドーシスは高率(80%)にBJPが陽性となる.病勢の推移,治療の効果判定をするうえで重要である.
尿中BJPの定性では,BJPが加熱により56℃前後で凝固し,100℃で再融解する特性を利用して検出する.しかし偽陽性,偽陰性が多い検査である.尿中BJPの同定には,以前は濃縮尿をアガロース膜で電気泳動し,抗L鎖抗体との反応性をみる免疫電気泳動法が行われてきたが,より感度の高い方法として,現在は電気泳動で分画後に抗原抗体反応を行い免疫沈降物を検出する免疫固定法が施行されることが多い.
判読
①BJPが疑われたら,尿を10~100倍に濃縮して検査する.尿蛋白陰性でもBJPの存在は否定できない.②BJPの存在が直ちに腫瘍性
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