基準値
・C1q:陰性(3.0μg/mL以下)
・抗C3d抗体:陰性(9.2μg/mL以下)
・モノクローナルRF:陰性(4.2μg/mL未満)
測定法 ELISA
検体量 血清0.3mL
日数 2~5日
目的 免疫複合体(IC)が関与する疾患の診断と治療効果判定
NOTE *保険点数:153点(包)(C1q),194点(モノクローナルRF)
Decision Level
●強陽性
[高頻度]全身性エリテマトーデス(SLE),悪性関節リウマチ(MRA),血管炎症候群,糸球体腎炎,慢性感染症,血清病 [可能性]悪性腫瘍,感染症 [対策]原疾患の診断と治療
●弱陽性
[高頻度]SLE,関節リウマチ(RA),Sjögren症候群,感染症 [可能性]血管炎症候群,糸球体腎炎,悪性腫瘍,アレルギー [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ICは,抗原抗体反応の結果形成された抗原,抗体,補体からなる複合体である.IC中の抗体は他のICと架橋して巨大な複合体を作る可能性があるが,血液中の補体成分がICと反応して抗体が架橋するのを防いでいる.可溶化したICは,赤血球の補体レセプター(CR1)によって捕捉され,肝臓や脾臓に運搬され,貪食細胞(単球・マクロファージ,樹状細胞など)により処理される.ICが過剰に産生されると,赤血球上のCR1で処理しきれずに血液中に残存する.赤血球で運搬されても,貪食細胞による処理能力を超えたり,貪食機能の低下があるとICは除去されずに臓器に沈着する.自己免疫疾患や補体欠損症などで補体が不足すると,ICの可溶化が進まず赤血球に捕捉されなくなる.これらの結果,Ⅲ型アレルギーの反応により組織障害が起こる.血中を循環するIC(CIC)は必ずしも病態に関与しているとは限らないが,疾患活動性を反映している可能性はあり,活動性の指標とはなりうる.
ICとして実際にはCICを測定
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