基準値
・間接蛍光抗体法:陰性
・ELISA:陰性(10index未満.10~15.9indexは判定保留)
測定法 間接蛍光抗体法,ELISA
検体量 血清0.5mL
日数 4~7日
目的 ①全身性強皮症(SSc,強皮症)の診断と病型の判定,②Sjögren症候群(SS)の診断(特に抗SS-A/SS-B抗体陰性でSSを疑うとき)
Decision Level
●陽性(ELISAでは16.0index以上)
[高頻度]SSc,強皮症,レイノー症候群 [可能性]原発性胆汁性胆管炎(PBC),SS
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
セントロメアは細胞の有糸分裂時にみられる染色体紡錘糸の結合部分である.非分裂期細胞においては,間接蛍光抗体法にて核内の散在斑紋型(discrete speckled pattern)を示す.分裂細胞において,小粒子の核中心部への集合(分裂前期)や,小粒子の左右への分散(分裂後期)がみられる場合に抗セントロメア抗体陽性とする.抗セントロメア抗体の対応抗原は,CENP-Aから-Gまで7種類の分子が同定されている.ELISAでは,そのうちで対応抗原の中心と考えられるCENP-BのC末端領域のリコンビナント蛋白が用いられている.抗セントロメア抗体は,限局性皮膚硬化型SScで陽性率が高い(90%以上)が,特異度は高くないため,皮膚硬化が認められない場合は上記疾患の検索を行う.特に抗SS-A/SS-B抗体陰性のSSで陽性になることがある.限局性皮膚硬化型SScでは診断されるまでに長期間レイノー現象だけを呈する場合が多い.翻って,レイノー現象を有する本抗体陽性者は限局性皮膚硬化型SScに進展するリスクがある.疾患活動性とは相関しないので頻回に再検査する必要はない.
[関連する検査]
①限局性皮膚硬化型のSScでは抗U1-RNP抗体,抗Th/To抗体(保険未収載)が陽性となることがある.
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