基準値 陰性
測定法 希釈ラッセル蛇毒試験法(dRVVT),APTT法,リン脂質中和法
検体量 血漿0.6mL
日数 4~9日
目的 抗リン脂質抗体症候群(APS)の診断
Decision Level
●陽性(dRVVTにて1.3以上)
[高頻度]原発性APS,全身性エリテマトーデス(SLE),その他の2次性APS [可能性]Sjögren症候群,全身性硬化症(SSc),血小板減少性紫斑病(ITP),溶血性貧血,関節リウマチ(RA) [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
ループスアンチコアグラント(LA)は,単一の凝固因子活性を低下させることなくリン脂質依存性の凝固時間を阻害する免疫グロブリンと定義されており,抗β2-グリコプロテイン(GP)抗体とホスファチジルセリン依存性抗プロトロンビン抗体が大部分を占めると考えられている.凝固系において第Ⅴ因子,リン脂質,カルシウムイオンの存在下で活性化第Ⅹ因子(Ⅹa)がプロトロンビンに作用してトロンビンに変換される.LAは第Ⅹ因子転換複合体 (第Ⅹ因子,第Ⅷ因子,リン脂質,Ca)とプロトロンビナーゼ複合体 (第Ⅹa因子,第Ⅴ因子,リン脂質,Ca)の形成を阻害し,リン脂質依存性の凝固反応であるプロトロンビンからトロンビンへの変換を阻害する.その結果,凝固時間が延長することでLA陽性と判断される.APSに対するLAの感度は81%,特異度が97%で感度,特異度ともに高い.LA陽性は血栓症と関連があり,LA陽性例では,習慣性流産,動静脈血栓症,血小板減少症が認められる.LAは凝固時間法で判定する定性的検査であるが,APSの分類基準ではLAが12週間以上の間隔をあけて2回以上陽性であることが条件となっている.
LAの測定は国際血栓止血学会標準化委員会が推奨する方法に従って実施される.まず,スクリーニング検査でリン脂質依存性凝固時間の延
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