基準値 陰性(30.0pmol/L未満)
測定法 RIA法
検体量 血清0.3mL
日数 2~8日
目的 ランバート・イートン筋無力症候群(LEMS)の診断の補助
Decision Level
●陽性
[高頻度]LEMS [可能性]LEMSではない抗P/Q型VGCC抗体陽性小細胞肺癌,LEMSではない抗P/Q型VGCC抗体陽性傍腫瘍性小脳変性症 [対策]臨床症状や診察所見および電気生理学的検査などによりLEMSの診断を行い,診断されたら適切な治療を行う.LEMSでは高率に小細胞肺癌などの悪性腫瘍を合併するので,悪性腫瘍(特に小細胞肺癌)の検索を行い,腫瘍が発見されたときにはその治療を行う.また,LEMSでないと判断された場合にも,小細胞肺癌の検索は必要であり,また小脳障害の評価も必要である
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
抗P/Q型VGCC抗体は,神経筋接合部のシナプス前終末のP/Q型VGCCに作用して,アセチルコリンの放出を阻害することによって神経筋伝達を障害し筋力低下を引き起こす.
[感度・特異度]
抗P/Q型VGCC抗体はLEMS患者の85~95%に検出される.上記のようにまれにLEMSではない小細胞肺癌や傍腫瘍性小脳変性症でみられることがある.
[関連する検査]
LEMSは,本検査のみで診断できるものではない.臨床症状・診察所見とともに,電気生理学的検査である反復刺激誘発筋電図検査における初発電位の低値と高頻度刺激での漸増現象(waxing)も重要な所見である.
採取保存
採血後血清分離し凍結保存する.
保険注意
抗P/Q型VGCC抗体はLEMSの診断を目的として,RIA法により測定した場合に算定する.臨床症状によりLEMSが疑われる患者であって,反復刺激誘発筋電図検査において異常所見を認める患者を対象として実施した場合に限り算定する.ただし,医学的な必要性から反復刺激誘発筋電図検査に
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