基準値
・測定条件により大きく変動するため,以下に成人参考値として示す
・成人参考値:30~80%
NOTE 測定値は測定条件,性差,年齢差によって大きく変動するため,明確な基準値は示せない.各施設における年齢,性を一致させた複数の健常者活性との比較は有用である
測定法 51Cr遊離法またはMTTアッセイ
検体量 血液5mL(保存液加)
日数 3~5日
目的 腫瘍,ウイルスに対する防御機構の1つであるNK細胞集団全体の機能評価
Decision Level
●低下(同時測定した健常者活性の50%以下)
[高頻度]進行癌患者,重症複合性免疫不全症,Chédiak-Higashi 症候群(先天性),自己免疫性疾患(全身性エリテマトーデス,Sjögren 症候群など),AIDS,老化,乳児期,ステロイド大量投与時 [対策]原疾患の診断と治療
●上昇
[高頻度]担癌状態,インターフェロン投与時,関節リウマチ,気管支喘息の発作時,運動時 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
NK細胞は,抗原感作を必要とせずに,特定の細胞を殺す能力をもった自然免疫系に属するリンパ球である.腫瘍,ウイルス感染の初期防御に重要と考えられている.標的細胞の認識にはMHCクラスⅠの発現低下を利用している.このNK細胞活性を,ヒト末梢血を用いて測定するときは,NK細胞に感受性が高い培養株K-562細胞を51Crで標識してターゲット(T)としておき,末梢血単核球細胞分画などをエフェクター(E)として,それにより培養液中に放出された51Crの割合を評価する.標的細胞の種類,E/T比,反応時間など測定値を左右する条件が多い.
NOTE 自然免疫を担うリンパ球を自然リンパ球(ILC)と総称する.この自然リンパ球は転写因子および産生サイトカインによって3つのグループに分類され,インターフェロン-γ産生をメルクマールとして
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