基準値 種々の検査法があり,基準値は施設の設定による
測定法
・好中球は異物を認識し,①遊走,②接着,③貪食,④殺菌,という働きをする
・遊走:Boydenチャンバー法,アガロース法
・接着:ナイロンウール法
・貪食:オプソニン化ザイモザンを被貪食粒子として用いた細胞内取り込みの鏡検による評価,ラテックス粒子の取り込み能のフローサイトメトリー(FCM)による評価
・殺菌:貪食後の細菌生存率の測定,リソソーム酵素活性の測定,ミエロペルオキシダーゼ活性の測定,NBT還元試験,DCFH-DAのDCFへの活性酸素による変換のFCM解析,HPF/APFの活性酸素による蛍光励起のFCM測定
検体量 血液5~10mL(好中球数による)
日数 5~7日
目的 特に小児科領域において易感染性を示す疾患の原因検索
Decision Level
●遊走能の異常
[高頻度]Wiskott-Aldrich症候群,高IgE症候群,白血球粘着不全症候群,アクチン機能不全症,Chédiak-Higashi 症候群 [対策]原疾患の診断と治療
●接着能の異常
[高頻度]白血球粘着不全症,アクチン機能不全症 [対策]原疾患の診断と治療
●貪食能の異常
[高頻度]粘着蛋白異常症,アクチン機能不全症,γ-グロブリン異常,タフトシン欠損症 [対策]原疾患の診断と治療
●殺菌能の異常
[高頻度]慢性肉芽腫症(CDG),Chédiak-Higashi症候群,MPO欠損症,G-6-PD欠損症,グルタチオン代謝異常 [対策]原疾患の診断と治療
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
主に好中球機能低下が問題となる,小児科領域の原発性好中球機能異常症の診断のために行われる.成人では骨髄異形成症候群で異常となることがある.好中球機能が亢進するものとして家族性地中海熱やBehçet病などの炎症性疾患があるが,好中球自体の問題なのか,炎症による2次的なもの(炎症性メディエ