基準値 尿の培養陰性
測定法 好気培養,炭酸ガス培養,嫌気培養(膀胱穿刺尿)
検体量 5mL(少なくても可)
日数 2~4日
目的 泌尿生殖器感染症の起炎菌検出
NOTE *保険適用:尿の培養検査と簡易培養検査は同時に保険点数がとれない.保険点数:同一検体について一般培養と併せて嫌気性培養を行った場合は122点を加算する.入院中の患者に対して,質量分析装置を用いて細菌の同定を行った場合は40点を加算する(他の検査材料も同様)
Decision Level
●陽性
[高頻度]尿路感染症:尿道炎,膀胱炎,尿管炎,腎盂腎炎.生殖器感染症:腟炎,頸管炎,前立腺炎,バルトリン腺炎,骨盤内炎症性疾患など [対策]臨床症状,検査材料,検出菌から総合的に判断し有効な抗菌薬の投与を考慮する
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
■尿の細菌培養検査
尿路から微生物が分離される場合には,尿道開口部から上行性に感染するルートと血流から腎臓を経由し尿路に入るルートの2つが存在する.尿路感染症では,まれにウイルス,真菌,寄生虫が原因の場合もあるが,ほとんどは細菌によって引き起こされる.男性よりも女性のほうが圧倒的に多く,これは女性の尿道が男性に比べ短いことや,常在菌が存在する腟・肛門と尿道の距離が近いことが原因とされている.
基礎疾患をもたない単純性尿路感染症の起炎菌の多くはEscherichia coliであるのに対し,構造的または機能的に何らかの基礎疾患を有する複雑性尿路感染症では,Pseudomonas aeruginosaをはじめとするブドウ糖非発酵グラム陰性桿菌やStaphylococcus spp.,Enterococcus spp. などが認められ,複数菌種分離されることが多い.思春期の女性ではStaphylococcus saprophyticusが起炎菌になることもある.感染部位によって,腎盂腎炎,尿