基準値 陰性(抗酸菌の発育を認めない)
測定法 抗酸菌培養検査は,採取された検査材料を「前処理」した後,「培養検査」を実施する.「前処理」は,発育の遅い抗酸菌を分離するために,検査材料中に存在する抗酸菌以外の常在菌を除去することを目的に,消化・汚染除去が必要である.「前処理」が終了した後,培地に接種し,培養検査を開始する.無菌的に採取された組織や体液は,消化・汚染除去を必要とせず,培地に接種可能である
検体量 呼吸器系材料(喀痰などは1回喀出量.蓄痰不可).結核菌は,あらゆる臓器に感染を起こすので生体材料すべてが検体として提出される(詳細は検査室に問い合わせること)
日数
・院内の場合:8週間 (液体培地は6週間が多い)
・外注の場合:8週間 (詳細は各施設に問い合わせること)
目的 検査材料中からの抗酸菌の分離
■測定法の種類および概略
●前処理
消化・汚染除去の代表的な方法である,NALC-NaOH法が広く用いられている.また,検査材料の粘稠性を除去し,均一化と濃縮を目的としたセミアルカリプロテアーゼ(SAP)をNALC-NaOH法と併用する場合がある.なお検査材料により,前処理方法が異なる
●培養法
・固形培地は,卵または寒天を含む培地が用いられ,集落形成,複数菌の存在,外観を目視にて確認が可能である.日本国内では,卵を基礎とした小川培地が用いられることが多い
・液体培地は,Middlebrook 7H9培地を基礎とした培地に,CO2消費またはCO2産生の検知を自動で行う機器が市販されている.
・結核菌を含むMycobacterium属の多くは,発育至適温度が37℃であるが,表在性病変の原因菌(M. marinum,M. shinshuense,M. ulcerans,M. haemophilum,M. chelonaeなど)の発育至適温度は30℃前後である.また,リンパ節炎の原因菌となるM
関連リンク
- 臨床検査データブック 2023-2024/塗抹検査《細菌顕微鏡検査,顕微鏡検査〔鏡検〕》 [パニ][保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/呼吸器系の細菌培養検査 [保]* 170点
- 臨床検査データブック 2023-2024/泌尿器系の細菌培養検査 [保]* 180点
- 臨床検査データブック 2023-2024/消化器系の細菌培養検査 [保]* 190点
- 臨床検査データブック 2023-2024/嫌気性培養検査 [保]*
- 臨床検査データブック 2023-2024/膿・穿刺液の細菌培養検査 [保]* 220点
- 臨床検査データブック 2023-2024/真菌検査 [保]*
- 今日の救急治療指針 第2版/結核菌感染症
- 新臨床内科学 第10版/1 感染症の治療指針