基準値 陰性
測定法 イムノクロマト法(キット名:キャピリア®TB-Neo)
検体量 培養陽性検体の菌懸濁液または培養液0.1mL
日数 15分
目的 結核菌群迅速同定
Decision Level
●陽性
[高頻度]結核菌群による感染症 [対策]抗結核薬の投与.MPB64陽性の場合,結核菌群感染疑いとして届出が必要
異常値のでるメカニズムと臨床的意義
結核菌群が特異的に菌体外に分泌する蛋白(mycobacterial protein fraction BCG of Rm 0.64 in electrophoresis;MPB64)に対するモノクローナル抗体を用いたイムノクロマト法である.コントロールと同様,明瞭に反応を呈した場合にのみ陽性とする.
測定結果が陽性の場合,結核菌の存在を強く示唆する.しかし結核菌と非結核性抗酸菌の複合感染の可能性もある.
測定結果が陰性の場合,試料中のMPB64濃度が検出感度以下の場合やMPB64遺伝子に変異が生じた結核菌群の場合は検出できないこともあり,結核菌感染をすべて否定するものではない.
検体として固形培地に発育したコロニーの菌懸濁液または液体培地の培養液を用いるので,操作はすべて安全キャビネット内で実施する.
検査特性として感度・特異度は高い.結核菌群による感染症の診断に補助的に利用される.
[関連する検査]
結核菌群の遺伝子検査法としてPCR法,DDHマイコバクテリア法,アキュプローブ法などがあり,それらの検査では必要な機器を導入しなければならない.しかし,本検査ではその必要性はなく,簡便に行うことが可能である.ただし,直接,検査材料を用いて行うことはできない.
判読
明瞭に反応を呈した場合にのみ陽性とする.
薬剤影響
発育コロニーの菌懸濁液または菌が増殖した菌液を用いるため,薬剤の影響はない.
推奨する総説
日本結核・非結核性抗酸菌症学会(編):抗酸菌
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